単純疱疹(口唇ヘルペス、性器ヘルペス)とは
単純疱疹は帯状疱疹と同じウイルスが原因で生じます。帯状疱疹は典型的な水疱が皮膚に帯状に現れますが、単純疱疹は口唇(こうしん:唇の周り)や性器に限局して水疱が現れます。帯状疱疹と同じように痛みを伴います。
単純疱疹の治療薬
治療薬としては帯状疱疹と同じ薬が使用されますが、服用量や服用回数が異なります。また、再発を繰り返すことが多く、症状が出たら早めに治療を開始することが効果的なため、ファムビル(ファムシクロビル)は、次に症状が出た時に服用する分をあらかじめ処方してもらうことができます。予防的に処方してもらえるということですね。もちろん、症状が現れてから受診して処方してもらうことも可能です。
ファムビル(ファムシクロビル)は「再発性の単純疱疹の場合は、通常、成人にはファムシクロビルとして1回1000mgを2回経口投与することもできる。」(ファムビル 添付文書より)とあります。
再発時に服用する分として処方する際の注意点
症状が現れてから、6時間以内に服用すると効果が得られますが、可能な限り早く服用することが理想です。ファムビル(ファムシクロビル)の添付文書には、以下の注意点が記載されています。
- 再発を繰り返す患者であることは、再発頻度が年間概ね3回以上などの病歴を参考に判断すること。
- 再発の初期症状(患部の違和感、灼熱感、そう痒等)を正確に判断可能な患者であることを確認すること。
- 再発頻度及び患者の腎機能の状態等を勘案し、本剤の処方時に、服用時の適切な用法・用量が選択可能な場合にのみ処方すること。
- 1回の再発分の処方に留めること。
単純疱疹治療薬を使用する際の注意点
単純疱疹の治療薬は帯状疱疹の治療薬と同じ(アメナリーフは単純疱疹には使用できません)ですので、注意点も同じです。
腎臓の機能が低下している場合は、精神症状などの副作用に注意が必要です。また、痛み止めはロキソニンは使用しないでください。使用するのであればアセトアミノフェンが理想です。
まとめ
単純疱疹(口唇ヘルペス、性器ヘルペス)は帯状疱疹と同じウイルスが原因で生じるため、治療薬も帯状疱疹とほぼ同じですが、服用量や服用回数が異なります。
腎臓の機能が低下している場合には特に精神症状などの副作用に注意が必要です。
痛み止めはアセトアミノフェンを使用しましょう。ロキソニンは避けましょう。
再発を繰り返す場合は、あらかじめ服用できるよう処方してもらうことができる薬もあります。
また、口唇ヘルペスの再発であれば市販の塗り薬も使用できます。【佐藤製薬 アラセナS】