「ガスター10 (テン)!!」と西村雅彦さんが勢いよくおっしゃっていたCMを思い出します。
ガスターは、病院でも非常に多く使用されている胃薬の一つです。胃薬には大きく分けて、胃酸が出すぎるのを抑える薬、胃の粘膜を保護する薬、胃酸を中和する薬に分けられます。ガスターは胃酸が出すぎるのを抑える薬になります。
市販のガスター10は名前の通り10mgですが、病院で使用するガスターは倍の20mgで使用されます。
胃薬の強さは、胃酸が出すぎるのを抑える薬が圧倒的に強いです。そのため、ガスターは胃潰瘍などによる胃の痛みに非常によく効きます。しかし、その胃の痛みが胃がんによる痛みだったとしても、ガスターを飲むことで一時的に抑えられてしまいます。そのため、病院を受診するのが遅くなり、がんが発見されるのが遅れてしまう…といった危険があります。
そのため、市販のガスター10の添付文書には「3日間服用しても症状の改善が見られない場合は、服用を止めて、医師または薬剤師に相談してください」と記載されています。
また、80歳以上の高齢者は服用しないでください、と記載されています。ガスターは腎臓から体の外に出ていきます。ですが、高齢者では腎臓の機能が低下しているため、ガスターが体の外に出にくくなり体内に溜まりやすくなってしまいます。その結果、副作用として頭がボーっとしたり、けいれんを起こしたりといった副作用が出やすくなってしまいます。年齢が若くても、腎臓の機能が低下している方も同じように注意が必要です。
ボーっとしたり、けいれんを起こしたりといった精神症状の副作用だけでなく、出血を止める働きのある血小板の数を減らしてしまうような副作用が起こることも稀にあります。
ガスターは非常にいい薬ですが、使い方を間違えると、取り返しがつかないことになってしまいますので、薬局やドラッグストアで購入する際には、薬剤師によく相談してください。