医薬品には必ず副作用がつきものです。副作用のない薬はありません。
もちろん、点眼薬(目薬)も同じで、副作用は必ずあります。
花粉症や疲れ目、ドライアイなどで点眼薬を使用する方が多いのではないでしょうか。
今回は、点眼薬の副作用でまつ毛が濃くなるものがありますので説明します。
まずは点眼薬を使用する際の一般的な注意点について説明します。
点眼薬を使用する際、点眼瓶の先が眼の中に入らないように注意が必要です。
点眼瓶の先が皮膚に触れてしまうと、雑菌が入ってしまい汚染されてしまいます。
また、点眼する際に目の瞼を上下に広げて点眼する方がいますが、この方法では上手に点眼できません。
下瞼だけを、あっかんべー とするように引っ張って、その引っ張ったところに点眼するのがベストです。
点眼する量は1滴で充分です。2滴以上点眼しても眼の中の容積以上になって溢れてしまうだけですので、1滴入れば十分です。
開封した点眼薬は1か月を過ぎたら使用しないようにしましょう。
点眼薬の多くのものには防腐剤が入っていますが、開封後1か月以上経ってしまうと、雑菌の繁殖が増えてしまうため使用できません。
防腐剤としてベンザルコニウムがよく使用されます。
ベンザルコニウムはコンタクトを着色させてしまうため、キサラタンなどの添付文書には、点眼前にコンタクトレンズを外し、点眼後15分以上経過してから装着するよう記載があります。
もちろん、コンタクトレンズを装着したまま点眼できるものもあります。
コンタクトレンズをつけたまま点眼しても問題ないかどうかは、その都度、薬剤師に相談してみましょう。
緑内障の点眼薬には、β遮断薬や炭酸脱水素酵素阻害剤、プロスタグランジン製剤など様々なものがあります。
その中で、プロスタグランジン製剤は副作用で、まつ毛が濃くなることがあります。
具体的には、キサラタン(ラタノプロスト)やタプロス(タフルプロスト)などがあります。
タプロス点眼液の添付文書には副作用に「睫毛の異常(睫毛が長く、太く、多くなる等)」と記載されています。
しかも、その頻度は5%以上となっています。
作用機序はよくわかりませんが、血管拡張作用と関係があるのでしょうか。
女性であれば、まつげが太くなったり多くなるといったことは喜ぶのかもしれませんが。
これを頭皮に使用すれば、薄毛の治療にも使えるのではないかと思うのですが、そうはいかないようですね。
少し話は違うかもしれませんが、高齢になると毛髪は薄くなりますが、眉毛は伸びてきますよね。
若い頃のように情報伝達が正常に働いていれば、毛髪は伸びて眉毛は伸びすぎないようになるはずです。
しかし、年齢を重ねると制御がおかしくなり、伸びなければいけない毛髪が抜けてしまって、伸びなくてもいい眉毛が伸びてきてしまうようです。
うまくいきませんね。
プロスタグランジン製剤の他の副作用として、目の周りに点眼薬の成分が残って付着していると、クマの様に黒くなってしまいます。
点眼後に丁寧にふき取ることが重要ですが、ふき取るだけでは不十分なこともあります。
タプロスの添付文書にも記載されていますが、点眼後は洗顔して付着している成分を完全に洗い流してあげる方が確実だと思います。
プロスタグランジン製剤の点眼薬は1日1回の薬ですので、朝起きて点眼したら顔を洗う、または入浴前に点眼して入浴時に洗顔する、といった方法が良いと思います。
緑内障治療薬のプロスタグランジンの点眼薬は、まつげが濃くなったり目の周りが黒くなることがあります。
このような副作用を予防するために、点眼後にふき取るだけでなく、洗顔することをお勧めします。