緑内障の点眼薬|リズモンTGとチモプトールXE|ゲル化する機序の違い

医療

緑内障は視野欠損が徐々に進行し、最終的には失明してしまう眼の病気です。

治療方法としては、緑内障が進行しないよう眼圧を下げる点眼薬を継続する以外に方法はありません。

そのため、点眼薬を毎日、決められた回数、正しく続けられるかどうかが重要になります。

しかし、1日2回 朝と夕の点眼だと、夕の点眼を忘れてしまったりすることもあるため、1日1回の点眼で薬の効果が持続するものが開発されてきました。

緑内障の点眼薬には、副作用でまつ毛が濃くなったり眼の周りが黒くなるものもありますので、次の記事を参考にしてください。

作用時間を長くする方法

点眼薬の持続性を高める方法としては、「粘性を高めて持続させる方法」と「ゲル化して持続させる方法」の2つの方法があります。

粘性を高めて持続させる方法

粘性を高めて持続させる点眼薬としては「ミケランLA点眼液」があります。

ミケランLA点眼液は粘性のアルギン酸を加えて粘度を高めて1日1回の点眼が可能となっています。

従来のミケラン点眼液は1日2回の点眼が必要でしたが、ミケランLA点眼液は1日1回の点眼です。

アルギン酸は、胃潰瘍治療剤の内用液である、アルロイドGにも含まれる非常に粘度の高い成分です。

もずくなど、ネバネバした海藻類に含まれるフコイダンと同じような多糖類です。

ミケランLA点眼液は、このアルギン酸を加えることで粘度が増し、眼表面での滞留時間が長くなりました。

粘度が高くなると眼の違和感などが生じる印象を受けますが、点眼時の使用感は変わらないようです。

そこは製薬会社の研究成果というか企業努力なのでしょうね。

ゲル化して持続させる方法

チモロールマレイン酸塩の点眼薬としては、チモプトール点眼液があります。

チモプトール点眼液は1日2回の点眼が必要でしたが、持続化させた「チモプトールXE点眼液」は1日1回の点眼が可能となっています。

チモプトールXE点眼液以外にも、同じ成分の持続化させた点眼液として「リズモンTG点眼液」があります。

リズモンTG点眼液も1日1回の点眼が可能となっています。

チモプトールXE点眼液とリズモンTG点眼液の違い

どちらも成分はチモロールマレイン酸塩の持続性点眼液で、ゲル化することで持続化させていますが、ゲル化する機序が異なります。

チモプトールXEのゲル化する機序

チモプトールXEはゲル化させるために、「ジェランガム」が添加されています。

ジェランガムは、アルギン酸やフコイダンなどと同じ多糖類の一種で、食品などに多く使用されています。

ジェランガムは水溶液中では固まりませんが、一定濃度のナトリウムやカルシウムなど、1価または2価の陽イオンと反応することでゲル化する、という特徴があります。

そのため、点眼瓶の中では液体となっていますが、点眼して眼の表面で涙液に含まれるナトリウムと反応してゲル化します。

チモプトールXE点眼時の注意点

チモプトールXEは涙液と反応することでゲル化します。

そのため、点眼瓶の先端が眼の中に入ってしまった場合、点眼瓶の先付着している薬液がゲル化して固まってしまいます。

ジェランガムはゲル化すると元には戻りませんので、点眼瓶の先が涙液に触れて固まってしまったものは使えなくなってしまします。

チモプトールXE点眼液を使用している患者さんには、点眼瓶の先が眼に触れないよう指導する必要があります。

リズモンTGのゲル化する機序

リズモンTGは温度で反応するポリマーのメチルセルロースを配合しています。

メチルセルロースは低温では固まりませんが、温度が上昇すると固まる性質があります。

本来、メチルセルロース単独では約55℃で固まりますが、クエン酸ナトリウムを加えることで体温付近で固まるように工夫されています。

また、クエン酸ナトリウムの刺激を、他の添加物を加えることで低減する工夫もされています。

つまり、点眼する前の室温では固まっていませんが、点眼することで眼の表面の温度でゲル化するという仕組みです。

チモプトールXEのジェランガムのゲル化は不可逆的で、一度固まると元には戻りませんが、リズモンTGは温度を下げれば元に戻ります。

夏場などで室温が高くなると、固まってしまう場合もあるかもしれませんが、そのような時は冷蔵庫で保管すれば元に戻りますので問題ありません。

ジェネリックのチモロールマレイン酸塩点眼液

チモプトールXE点眼液とリズモンTG点眼液のゲル化する機序は異なることを説明しました。

最近では、ジェネリック医薬品を使用することが多くなっています。

チモロールマレイン酸塩点眼液のジェネリック医薬品は、どちらの機序でゲル化するのでしょうか。

現在発売されている1日1回のチモロールマレイン酸塩点眼液がゲル化する機序は、全てチモプトールXE点眼液と同じでした。

そのため、ジェネリックのチモロールマレイン酸塩点眼液を使用する際は、点眼瓶の先が眼に触れないよう患者さんに説明しなければなりません。

まとめ

緑内障の治療は、眼圧を下げる点眼薬を正しく継続することが重要です。

そのために、1日2回から1日1回へ改良された点眼薬が主流となっています。

持続性を持たせるために、粘性の高い成分を添加したり、ゲル化させる工夫がされています。

チモプトールXE点眼液は涙液と反応してゲル化するため、点眼瓶の先が眼に触れないよう注意が必要です。

リズモンTG点眼液は温度に反応してゲル化するため、室温が高いところでは保存しないようにしましょう。

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