高齢者にひどい頭痛が現れたらどうする?薬の使い方や対処法を説明

医療

認知症の症状として頭痛があらわれることは、あまりないと考えてよいと思います。

激しい頭痛が突然生じたときは、すぐに医療機関を受診しましょう。

薬の副作用で頭痛が起こることもあります。

また、痛み止めの使い方にも注意が必要です。

今回の記事では痛み止めの使い方にも触れていますので、参考にしてください。

考えられる疾患

脳卒中

脳梗塞や脳出血など、脳血管に異常が生じた疾患を総称して脳卒中といいます。

激しい頭痛が突然生じたり、どんどん頭痛が悪化してくる場合は脳出血の可能性が考えられます。

頭痛だけでなく、吐き気などの症状がある時もあります。

脳梗塞では、頭痛だけでなく手足の動かしにくさやしゃべりにくさが起きることがあります。

多くの場合、体の片側、例えば右手だけ、とか左足だけ、といったように片側だけ動きが悪くなったときは脳梗塞が疑われます。

両手や両足が一度に動きにくくなった場合は別の病気が考えられます。

このような時は、頭痛薬を使用するのではなく、一刻も早く医療機関を受診しましょう。

熱中症

熱中症をおこさないために、喉が渇くなどの症状がなくても、定期的に水分を摂取することが必要です。

加齢に伴い、喉が渇いたといったことを感じるセンサーが低下しているかもしれません。

また、高齢者では摂取する水分量が非常に少ないといった報告があります。

夏場はもちろんですが、季節はずれに気温が上昇することもあります。

天気予報で熱中症の注意喚起がされている時は特に注意が必要です。

気温が高い日に嘔気や嘔吐、頭痛などの症状が現れた時は熱中症が考えられます。

そのような時は、頭痛薬を使用するのではなく、すぐに医療機関を受診し点滴を受けましょう。

片頭痛

片頭痛は20~40代の女性に比較的多くみられます。

もちろん、高齢者でも片頭痛を生じることもありますが、その頻度は少ないと思われます。

脈を打つような拍動性の頭痛が生じます。

一般的な鎮痛剤でも効果があることがありますが、それでも効かない場合は、片頭痛用の薬もありますので、医師に相談してみるとよいでしょう。

緊張型頭痛

筋肉が緊張して収縮した状態が続くと頭痛を生じることがあります。

後頭部やこめかみを中心に頭重感や圧迫感を感じることがあります。

ストレスなど神経的な緊張が原因と言われています。

肩こりが原因の場合もあります。

更年期障害

女性の場合、閉経でホルモンバランスが崩れ、それが原因で頭痛を生じることもあります。

それだけでなく、ホルモンバランスが崩れることでストレスを生じ、精神的なイライラも頭痛の原因となることがあります。

二日酔い

これは言うまでもありません。

原因がはっきりしていますので、飲みすぎないようほどほどにするのが一番です。

薬の副作用

狭心症の薬など、血管を拡げる薬では、神経が圧迫されて頭痛や頭重感を生じることがあります。

脈を打つような頭痛、拍動性の頭痛を生じることがあります。

薬を飲み始めて数日の間に頭痛が生じるようであれば、薬の副作用かもしれません。

この場合、痛み止めを服用しても改善しないことがほとんどです。

医師や薬剤師へ相談し、他の薬へ変更してもらうなどの対応がひつようです。

薬としては、

ニトログリセリン

硝酸イソソルビド

シロスタゾール

といった薬があります。

高齢者におすすめの頭痛薬

様々な痛み止めを市販薬で購入できますが、高齢者にはあまりお勧めできないものもあります。

ロキソニン

ロキソニンは痛みや炎症の元となるアンジオテンシンという物質が作られるのを抑えて、解熱・鎮痛作用を発揮します。

副作用としては胃潰瘍が有名です。

それだけでなく、血管を収縮させる作用もあるため、腎臓の血管が収縮し、腎臓での血流が減少し、結果として腎臓の機能が低下することとなります。

高齢者ではロキソニンを使用すると、腎機能の悪化が起きる確率が非常に高くなります。

時々服用するだけであれば、それほど問題になりませんが、1日3回、毎日継続して服用すると腎機能の悪化が非常に高い確率で起きます。

また、インフルエンザなどのウイルス感染のときにロキソニンを使用すると、インフルエンザ脳症を生じる可能性があり、あまり推奨されていません。

そのため、発熱などの症状があってウイルス感染が考えられる場合は、ロキソニンの使用はあまり勧められません。

アセトアミノフェン

新型コロナウイルスのワクチン接種後の発熱などの症状を抑える目的で、市販でも買えるアセトアミノフェンが多く使用されるようになりました。

ドラッグストアに行っても、アセトアミノフェンの製品は全く置かれていない状況がしばらく続いていました。

アセトアミノフェンはロキソニンとは異なり、中枢に作用し解熱・鎮痛作用を示します。

そのため、ロキソニンのように胃潰瘍を起こしたり腎臓の機能が低下したりといった副作用が起きることはありません。

その代わり、炎症を抑える作用はありません。

しかし、熱を下げたり痛みを抑えたりといった作用は十分にあります。

インフルエンザなどのウイルス感染の時にも、アセトアミノフェンは安心して使用できます。

まとめ

激しい頭痛が突然生じたり、どんどんひどくなる場合は、脳卒中が疑われます。

また、手足の動かしにくさや嘔気・嘔吐などの症状がある時も脳卒中の可能性があります。

このような時は、薬を使って様子を見るのではなく、すぐに医療機関を受診しましょう。

痛み止めを使うときは、ロキソニンではなくアセトアミノフェンの使用が望ましいです。

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