便秘に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。食物繊維の多い食事を摂る、水分を多く摂る、適度な運動をする、十分な睡眠をとる、など生活改善が重要ですが、それでも改善しない場合には薬に頼る方法もやむを得ないと思います。
市販薬でも便秘薬はいろいろな種類がありますが、それぞれの特徴について説明します。
大腸を刺激して、腸の動きを良くしたり、水分の吸収を抑えて潤滑作用により便秘を改善します。医療用でも古くから頻用されています。タイミングとしては、寝る前に服用するのが一般的です。大腸の検査前にも使用されます。
大腸刺激性下剤は即効性がありますが、長期に継続していると耐性を生じ効きにくくなることがあります。また、腹痛を生じやすいため注意が必要です。
妊婦や授乳婦には使用できません。
センノシドやビサコジルを含む市販薬として、スルーラックSやコーラックIIなどがあります。
大黄は体内でセンノシドに分解されます。大黄を含む市販薬は大黄甘草湯や麻子仁丸があります。
便の水分量を増やして柔らかくすることで便秘の治療に使われます。センノシドやビサコジルのような刺激性下剤と違い、耐性を生じることはないため、長期に服用することができます。
妊婦や授乳婦に対しても使用可能です。
注意点としては、腎臓の機能が低下している場合は高マグネシウム血症を起こすことがあるため使用できません。
酸化マグネシウムを含む市販薬はいろいろ発売されていますが、スルーラック 酸化マグネシウムや、酸化マグネシウムE便秘薬、ビオフェルミン 酸化マグネシウム便秘薬などがあります。
センノシドやビサコジルは寝る前に服用することが多いですが、酸化マグネシウムは飲むタイミングはいつでもいいので、便の状況に応じて調節することができます。
ビオフェルミン 酸化マグネシウム便秘薬は酸化マグネシウムと整腸剤(乳酸菌)が配合されており、理想的な便秘薬といえます。
便と腸の滑りを良くしたり、腸を刺激することで便秘の治療に使われます。グリセリン浣腸やラックスタイマー坐薬があります。
特徴としては即効性がありますが、毎日使うことは避けた方がよい薬です。
オイルデルは便を潤滑にして大腸を刺激することなく排便をしやすくします。
腸の血液の流れを良くしたり、腸の動きをよくすることで便秘の治療に使われます。病院でも腸閉塞の予防目的で多く使われています。
大黄甘草湯や麻子仁丸と同じ漢方薬ですが、大黄を含まないため使用しやすい漢方薬です。
薬を服用する前に、まずは食物繊維が多い食事を摂る、水分を多めに摂る、適度な運動をする、睡眠を十分にとるなど、生活改善が基本です。それでも改善しない場合に薬を飲んでみるとよいでしょう。