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糖尿病治療薬のSGLT2阻害剤は心不全にも使われます

心不全に糖尿病の治療薬が使用される

通常、心不全の治療薬と言えば尿の量を増やす利尿剤や、心臓の働きを助ける薬などが使用されますが、糖尿病治療薬としても使用されるSGLT2阻害剤は心不全の治療として使用されることもあります。

尿への糖の排泄を促して血糖値を下げるSGLT2阻害剤。日本で最初に発売されたSGLT2阻害剤として、スーグラ(イプラグリフロジン)を紹介しましたが、他にもフォシーガ(ダパグリフロジン)ジャディアンス(エンパグリフロジン)といったSGLT2阻害剤が使用されています。

【糖尿病の治療薬なのに、尿に糖を出す薬】

フォシーガの名前の由来

フォシーガ (ダパグリフロジン) の名前の由来は「患者のため、患者家族のため、医師のためをあらわす「for」と、inhibit glucoseabsorption(糖の吸収を阻害する)の頭文字「iga」を掛け合わせる(x)ことで、他の血糖降下薬にはない新たな作用であることを表現している。」(フォシーガ インタビューフォームより引用)となっています。

ジャディアンスの名前の由来

ジャディアンス(エンパグリフロジン)の名前の由来は「Ja(ポジティブ,ドイツ語の”Yes”)とRadiance(輝き)から 2 型糖尿病の患者さんに未来へのポジティブな輝きを与える薬剤という意味。」(ジャディアンス インタビューフォームより引用)となっています。

心不全に使用されるSGLT2阻害剤

尿への糖の排泄に合わせて、尿の量も増えるため、心不全や腎不全にも効果があります。そのため、副作用として脱水が起こることがあります。

作用機序は フォシーガ (ダパグリフロジン) も ジャディアンス(エンパグリフロジン) も同じです。副作用も以前に紹介した スーグラ(イプラグリフロジン) と同様に、 脱水脳梗塞尿路感染症性器感染症重症低血糖、ケトアシドーシスなどの副作用に注意が必要です。

フォシーガ (ダパグリフロジン) は世界で最初に発売されたSGLT2阻害剤です(日本で最初に発売されたSGLT2阻害剤はスーグラです)。フォシーガ (ダパグリフロジン)は、糖尿病だけでなく、慢性心不全と慢性腎不全にも使用されます。

そのため、糖尿病でない慢性心不全や慢性腎不全の場合にも使用できますが、もちろん低血糖に注意が必要となります。

ジャディアンス(エンパグリフロジン)も尿の量が増えるため、慢性心不全に使用される薬です。

まとめ

糖尿病の治療薬として用いられるSGLT2阻害剤は、尿量を増やすことで心不全の治療にも用いられることがあります。脱水や脳梗塞、尿路感染症や性器感染症などの副作用に注意するだけでなく、糖尿病の既往がない人では、特に低血糖に注意が必要です。

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