不眠を訴える入院患者にプラセボを服用させるといった指示を時々見かけます。
有効成分が入っていると問題がありますので、プラセボとして乳糖の粉末を、粉のまま服用させたり、カプセルに入れて使用することが多いのではないでしょうか。
乳糖は一般的には賦形剤として使用されますので確かに有効成分は含みません。
しかし、頻度は低いかもしれませんが、乳糖不耐症の患者や乳糖でアナフィラキシーを起こしたことがある患者には使用できません。
そこでお勧めな商品が、プラセボ製薬が発売している「プラセプラス」です。
プラセプラスの成分は乳糖ではなく麦芽糖です。
麦芽糖は乳糖のようにアレルギーを起こすことはありませんので、どのような患者でも問題なく使用できます。
プラセボ(placebo)は偽薬、気休めの薬、という意味です。
英語の正式な発音は、プラシーボになります。
ラテン語で「私を喜ばせよう」という意味が語源となっているようです。
新薬の効果を評価する目的で、有効成分を含まない乳糖やデンプンをプラセボとして使用することがあります。
プラセボを服用することで、病気の症状が改善することがあります。また反対に、プラゼボによって副作用(有害な作用)が出ることもあります。この効果は、生体が本来有する自然治癒傾向、自然変動をベースに、患者さんの暗示効果や期待効果、治療環境などの諸要因の影響により生じる結果の総和と理解されています。一般に、不安・緊張と疼痛に関連した症状ないしは病態はプラセボに反応しやすいと考えられています。
日本ジェネリック製薬協会HPより引用
医療現場では、乳糖をプラセボで使用することが多いのではないでしょうか。
しかし、乳糖は散剤ですので、粉薬が飲めない患者では使用できません。
空のカプセルに詰めるのも面倒ですし。
また、空のカプセルをプラセボとして使用していることもあるかもしれません。
プラセボは、新薬を開発する際に、新薬の効果と比較するために有効成分を含まない成分として使用されることもあります。
しかし、病気にかかって全く治療効果がないプラセボを投与されるのでは倫理的に問題がありますので、最近ではプラセボではなく、その時点での標準治療薬と新薬とで比較することが多くあります。
乳糖不耐症の患者では、乳糖を分解できないため、下痢などの症状を引き起こします。
乳糖は別名ラクトースと言われていて、これを分解する酵素をラクターゼといいます。
ラクターゼが十分に働かなかったり不足している患者では、乳糖(ラクトース)が分解できないため下痢などの症状が現れます。
乳児の乳糖不耐症には、ミルラクトが使用されることもあります。
乳糖不耐症は酵素が不足しているために生じる症状ですので、アレルギーとは異なります。
通常、アナフィラキシーはタンパク質が原因で起こります。
それでは、乳糖はなぜ糖質なのにアナフィラキシーが起きるのでしょうか。
乳糖によるアナフィラキシーは乳糖についているタンパク質が原因で生じます。
医薬品の添加剤にも乳糖が含まれていますが、それによるアナフィラキシーが生じた事例の報告もあります。
【厚生労働省資料】乳糖を賦形剤として含有する製剤のアナフィラキシーが疑われる症例報告
乳糖は多くの患者で問題なく使用できると思われますが、ごく稀に乳糖でもアナフィラキシーを生じることもあります。
そこで、プラセボを使用する際は、乳糖ではなく麦芽糖を主成分とした「プラセプラス」がおすすめです。
麦芽糖は乳糖のようにタンパク質を含むことはありませんので、アナフィラキシーを起こす心配もなく安心して使用できます。
プラセプラスは医薬品ではないため、食品と同じように購入し使用できます。
プラセボ製薬が発売する「プラセプラス」はシート状のものと、袋入りのものが発売されています。
また、痛み止めの張り薬(湿布薬)のプラセボも発売されています。
医療現場でプラセボを使用する際には、乳糖が使われることが多くあります。
しかし、乳糖でアナフィラキシーを生じたりすることも、ごく稀にありますので注意が必要です。
プラセボ製薬が販売している「プラセプラス」は麦芽糖を主成分としているためアナフィラキシーの心配はありません。
また、見た目も医薬品の錠剤のようで問題なく使用できます。