石鹸やボディソープで「100%植物由来だからデリケートな肌にも安心!」というような宣伝文句をみかけます。
石鹼やボディーソープ、ハンドソープなど、植物性だから安全ですよ、というものがありますが本当なのでしょうか。
「植物性」と聞くと、化学合成したものよりも安全なのでは、と思ってしまうかもしれません。
しかし、抗がん剤の成分でも、植物から抽出されたものもあります。
植物でもアレルギーを起こす物もある
植物でアレルギー反応を起こす代表的なものとしては、「漆(うるし)」がありますね。
漆に含まれるウルシオールという成分がアレルギー反応を起こします。
これは全ての人に起こるわけではなく、体質によりますので漆に触れても何も症状が出ない人もいます。
漢方薬は植物由来が多い
普通に日常で漢方薬は飲み薬として使用されています。
この漢方薬もほとんどが植物由来です。
植物由来だったとしても、様々な作用を有する成分が入っています。
「麻黄(マオウ)」は風邪の時に服用する「葛根湯」にも含まれていますが、麻黄はエフェドリンという成分です。
エフェドリンは鎮咳薬として使用されますが、エフェドリンを10%以上含む医薬品は、覚せい剤原料です。
それほど作用が強いといったことになりますね。
もちろん、大麻やケシの実のように、危険な成分を含む植物も多くあります。
植物だから安全といったことは全くありません。
植物由来の抗がん剤もある
イリノテカンやパクリタキセルといった抗がん剤も植物由来の成分です。
イリノテカンは中国原産の植物である喜樹(キジュ)とよばれる植物から抽出されたカンプトテシンという成分を基に作られた抗がん剤です。
喜樹(キジュ)はカンレンボクとも呼ばれるそうです。
この、カンプトテシンは高い抗腫瘍活性と広い抗腫瘍スペクトラムを有することが分かり、この活性を高めて毒性を軽減し、イリノテカンが作られました。
パクリタキセルはTaxus brevifoliaというイチイ科の植物の樹皮抽出液から単離された抗がん剤です。
しかし、Taxus brevifoliaに含まれるパクリタキセルはごく微量であったため、同じような植物のTaxus baccataから抽出された10-デアセチルバッカチンⅢを原料として半合成してパクリタキセルが作られるようになりました。
いずれにしても、パクリタキセルは植物由来ということですね。
まとめ
このように、イリノテカンやパクリタキセルといった抗がん剤として使用されるような成分も植物由来の物があります。
「100%植物由来で敏感肌にも安心」と宣伝されているような石鹸やボディーソープもあるかもしれません。
ほとんどのものが問題ないとは思いますが、植物由来だから安心・安全だという考えはしないほうがよさそうです。
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